太針穿刺吸引組織診
#検査・診断
細胞診に用いるより太めの針(通常14ゲージ)を超音波ガイド下に病変に刺入し、組織片を切離・採取して顕微鏡で病理診断する方法です。採取した組織片は次に説明する外科的生検によるものより、はるかに小さいため、これを顕微鏡で調べる病理学者の眼力も一段と厳しさを要求されますが、現在では全世界的に使用されるようになっています。組織診以外に、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)やHER2の検査のための組織片を1度に3回程度採取します。この採取を大掛かりな機械を用いX線コンピュータ下で立体的計算に基づいて行うことで、触知不能の小さいしこりや石灰化巣も効率よく採取できるようになりましたし、最近では、これらの方法に加えて、1回の採取で複数の大きな組織片を採取できる画期的な生検法であるステレオマンモグラフィガイド下の陰圧吸引式針生検(マンモトーム[MMT];11ゲージ)装置が開発され、診断がつきにくい微細石灰化巣や微小病変の生検をより確実に行えるようになり、急速に普及しています。超音波ガイド下のMMT装置もあります。
監修:順天堂医院 乳腺センター 霞 富士雄