病理検査でわかる乳がんの3つのタイプ
#検査・診断ひとくちに乳がんといっても、乳がんには、おとなしい性格のものもあれば、進行性のものもあり、それぞれ性質(タイプ)が異なります。近年では、各乳がんのタイプにあわせた治療法や治療薬の開発が進んでおり、それぞれの乳がんの状態や特徴、患者さんの希望などにあわせて、個別的な治療が選択できるようになりました。
乳がんは、主にがん細胞の内部に発現する「ホルモン受容体」の有無と、がん細胞の表面に発現する「HER2タンパク」過剰発現の有無により、次の3つのタイプに分類されます。
- がん細胞の内部に、ホルモン受容体と呼ばれる分子が発現している「ホルモン受容体陽性乳がん」
- がん細胞の表面に、HER2タンパクが過剰に発現している「HER2陽性乳がん」
- がん細胞の内部または表面に、ホルモン受容体の発現も、HER2タンパクの過剰発現もない「トリプルネガティブ乳がん」
これらは、乳がん診断時の病理検査の結果から既に判明している内容です。乳がんのタイプにより治療方針が異なりますので、これから行われる治療の内容を理解するためにも、あなたがどのタイプの乳がんなのかを知ることはとても大切です。ご自分の乳がんのタイプをまだ知らないかたは、一度医師に聞いてみてはいかがでしょうか。