手術後の治療と生活
遺伝性乳がん
手術後の薬物療法や、むくみ予防対策などの生活の注意点、定期検診の内容などは、遺伝性乳がんではない場合と基本的に同じです。
手術後の治療と生活に関する知っておきたい情報については、ご自分の乳がんのタイプのページをご覧ください。
ホルモン受容体陽性乳がん
HER2 陽性乳がん
トリプルネガティブ乳がん
また、「治療をはじめる前に」の項で、リスク低減手術について紹介していますが、リスク低減手術は、希望するかたのみに行われ、リスク低減手術を行わない場合は、MRIや超音波検査(エコー検査)、マンモグラフィなどによるフォローアップ検査を定期的に行います。乳房のMRI検査は感度が高く、対側乳房(乳がんになっていない乳房)において、新たに発生するかもしれない乳がんの早期発見が見込まれることから、年に1回のMRI検査が推奨されており、マンモグラフィとあわせて行うこともあります。MRIが実施できない場合、あるいは患者さんの状態によっては、超音波検査が行われます。
卵巣がんのフォローアップ検査には、経腟超音波検査や腫瘍マーカーの測定を行いますが、これらの有用性は証明されていません。
遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)*の乳がん患者さんにおける一部のフォローアップ検査については、一定の条件を満たした医療機関にて保険診療で受けられます。
ただし、これらのフォローアップ検査は施設により異なりますので、詳細は医師に確認してください。
なお、HBOCのかた全員が対側乳房や卵巣にがんを発症するわけではなく、一生がんを発症しないかたもいらっしゃいます。
*遺伝性乳がん卵巣がん症候群と呼ばれることもあります。
総監修:
大阪大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科 診療科長
島津研三
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