乳がんの代表的な4つのタイプ
#遺伝性乳がん #検査・診断乳がんは、その性質により、「ホルモン受容体陽性乳がん」、「HER2(ハーツー)陽性乳がん」、「トリプルネガティブ乳がん」、「遺伝性乳がん」の4つの代表的なタイプに分類されます。
病理検査でわかる乳がんのタイプ
主にがん細胞の内部に発現する「ホルモン受容体」の有無と、がん細胞の表面に発現する「HER2 タンパク」過剰発現の有無により、次のタイプに分類されます。
- がん細胞の内部に、ホルモン受容体と呼ばれる分子が発現している「ホルモン受容体陽性乳がん」
- がん細胞の表面に、HER2 タンパクが過剰に発現している「HER2 陽性乳がん」
- がん細胞の内部または表面に、ホルモン受容体の発現も、HER2 タンパクの過剰発現もない「トリプルネガティブ乳がん」
これらの乳がんのタイプは、病理検査の結果で判明し、タイプにより治療方針が異なります。
各乳がんのタイプに関する詳細は、下記のページをご覧ください。
遺伝学的検査でわかる遺伝性乳がん
乳がんの 7~10%※は遺伝性乳がんであるといわれています。遺伝性乳がんのうち、58%‡を占めているのが、BRCA(ビーアールシーエー)遺伝子に変異がみられる「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)*」と呼ばれる乳がんです。
HBOC かどうかは、BRCA遺伝学的検査を実施することで判明しますが、乳がんと診断されていないかたのBRCA遺伝学的検査は、自費診療(保険適用外)となっています。
乳がんと診断された方のうち、以下の条件に1つでも当てはまればBRCA1/2遺伝子検査が保険適用となります#。
日本乳癌学会.遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療に関する手引き.全文、Q&A(更新日:2023年5月31日)
- #厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において実施した場合に限る
第3度近親者内とは:
父母、きょうだい、こども(遺伝情報を50%共有する関係)、祖父母、おじ、おば、おい、めい、孫、異父きょうだい、異母きょうだい(遺伝情報を25%共有する関係)、曾祖父母、大おじ、大おば、いとこなど(遺伝情報を12.5%共有する関係)
一般社団法人 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)をご理解いただくために ver.2022_2」
‡Tung N, et al. J Clin Oncol. 2016; 34(13): 1460-1468.
*遺伝性乳がん卵巣がん症候群と呼ばれることもあります。
遺伝性乳がんに関する詳細は、遺伝性乳がんのページをご覧ください。