私らしく生きる
#暮らし
乳がんの治療中も、そして治療の後も、これまでと同じ生活を取り戻すことは、とても大切なことです。治療中であっても、家事や子育てはもちろん、仕事への復帰や旅行に出かけたりすることもできます。
ただ、体調がすぐれないときや、気持ちが落ち込むときもあることでしょう。ご家族や職場のかた、ときには同じ経験をしてきた乳がん患者のかたなど、周りの理解とサポートを得ながら、これからも大切な毎日を過ごせるといいですね。
家族やパートナーと過ごすために
乳がんになったことで、「家族に負担をかけてしまった」と悩まれるかたはたくさんいらっしゃいます。あなた自身も、そしてご家族も心を痛められたことでしょう。病気や治療の状況をご家族にも理解いただき、お互いの気持ちを語り合うことで、一緒に病気と向き合えるようになります。小さなお子さんがいらっしゃれば、「病気のこと」「治療が必要なこと」「具合がよくないときもあるかもしれないこと」をお話しください。また、パートナーとの性生活について悩まれるかたもいらっしゃいますが、乳がんの治療後に性生活を控える必要はありません。
小さなお子さんとの向き合い方、パートナーとの性生活に関する情報をまとめた冊子も紹介していますので、ぜひ、ご覧ください。
・乳がん患者さん向け冊子の紹介
仕事を続ける
乳がんになり、仕事を続けることが大変だと悩まれるかたも多いのではないでしょうか。乳がんの薬物療法、放射線療法は通院治療が中心ですので、これまでのお仕事を続けられているかたも多くいらっしゃいます。治療に専念したい気持ちが先行しても、「退職」という結論をすぐに出す必要はありません。医師や看護師に治療スケジュールを確認するとともに、仕事の内容や働き方についても相談するとよいでしょう。医療ソーシャルワーカーが相談にのってくれる場合もあります。勤務先の休暇制度や勤務形態の選択などを確認し、無理のない範囲で業務内容を調整することが大切です。
患者会やピアサポートへの参加
患者さん同士が情報共有や意見交換などを通じて交流する「患者会」や「ピアサポート」という支援活動が、全国各地で行われています。乳がんを経験しながらも、前向きに毎日を過ごされているかたはたくさんいらっしゃいます。同じ思いを経験した仲間が集う患者会やピアサポートにも、参加されてみてはいかがでしょうか。
外見のケア
抗がん剤による脱毛や爪の変色・変形、手術痕や手術後のむくみなど、ご自分の外見の変化に心を痛めているかたも多いことでしょう。
がん治療に伴う外見の変化に対するケアを「アピアランスケア」といいます。アピアランスケアの窓口を設置している医療機関も多く、個人的な相談はもちろん、ウィッグや爪のケア用品の紹介、外見のケアプログラムの開催など、さまざまな支援活動を行っている医療機関もありますので、ご利用されてみてはいかがでしょうか。